Maysicoが綴り続けるブログ「今夜も力うどん」多摩川

2006/11/28

もう20年以上前、福岡から上京した私は、
多摩川の土手に徒歩1分というロケーションに住んでいました。
もちろん練習重視ということで、叔母が探してくれたのです。

その後この地には約12年間住み続けることになりましたが、
この間、私の主な練習場は多摩川の川沿いの指定の場所、
または野球場のベンチ。

今やすっかり軽量化したけれど、当時は重かった折りたたみ式譜面台。
楽譜などどっさり。
ちょっと食べ物。
メトロノーム。(威厳のあるカチカチ鳴るやつ)
それと楽器。
かなりの荷物。

練習はしないとうまくならないので、暑くても寒くても毎日毎日通った。
特にキツイのは寒い日。
ただ耐えているといったほうが正確だったかもしれないが、
今思えば、小・中・高校12年間、教室にストーブがない生活を送ったことが
私にとってはすごくよかったのかもしれない。

先日、ムスメがサックスを始めて間もない父親にきかれた。
家では吹けないから、いつも練習場をムスメのためにあのテこのテで
確保しているらしい。
「雨の日はどうしていたの?」
「第三京浜の橋脚の下に移動するんだよ~」
「あそこか~アッタマいいね」
「当たり前じゃ~」
今は多摩川といえば、公園風に整備され、護岸工事され、草刈もバッチリで
夏はバーベキューのメッカだ。
昔は草ボーボー。
毎日通っていると、いろいろな楽器吹きがレギュラーで練習していることに気づく。
で、それぞれ立ち位置があって決してお互いの立ち位置には踏み込まない。
川をはさんで、対岸から聞こえて来るサックスやトランペットとセッションしたり
なんてたまにイキな楽しみも。でも顔はわからない。

外で吹かなくなって何年経つだろう。
今は外で練習する環境があっても、もうできないかもしれない。
外で吹くとは、非常に原始的で自然体な行為で、ヒジョーに気持ちがいい。
でも、いったん服を着てしまうと、なんだかつまらない鎧を身に着けてしまい
なかなかそこに戻れないのかもしれない。
人目、ってこともあるけれどね。

12年間練習セットをつめたバッグは、気づくといつも砂だらけ。
気がつかないけれど、風の強い多摩川の土手は、譜面もメトロノームも
砂まみれにしてしまう。
太陽をガンガンに浴び、突然の雨にも遭遇した譜面たちは
パリパリで縫製がとれ、今やかなりの年季もの。
ああそう、外練習での必須アイテムは洗濯バサミ。

懐かしい。

「毎回練習にスタジオをとってあげるなんて!・・・」と思ったが
きっと私にコドモがいたら同じことをするんだろうな。
どんな状況でも、楽器を好きで一生懸命やっている次世代がいるなんて
スバラシイ。
ま、昨今あまりに天才少女が多いので、オッサンオバチャンは困っています。
ひとつお手柔らかにオネガイしたいものです。

春になったら、いってみようかな多摩川。

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